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Tokky
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ファン歴30年のボクシングファン。当メディア運営者のTokkyです。選手のセカンドキャリア、各界のファン達を始め人にフォーカスした独自の切り口での取材記事を発信しております!

八重樫東vsローマン・ゴンサレス戦は観る者の人生を豊かにするメモリアルファイト。

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毎年、9月5日が来ると思い出す。
代々木第二体育館でのあの光景。

八重樫東vsローマン・ゴンサレス。
試合終了の瞬間、両者の表情は対照的だった。一瞬だけ白い歯を見せた敗者と号泣する勝者。

スポーツだけじゃなく映画や演劇の世界、更には僕の様な一般会社員の仕事も含め全てに共通する事がある。それは「期待以上のものを見せられた時、人は感動する」という事。

ボクシングファンだけじゃなく、人生と向き合う全ての人に見て欲しい。お勧め作品を熱烈に語る映画ファンに近い思いの観戦記です。

これは"観るべき試合"

忘れられないあの夜の記憶を、ご本人との思い出と共に振り返ります。試合回想までは八重樫、それ以降は八重樫さん。シーンによって呼び方を変えています。

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ロマゴンとやってもいいですか!

ビックマッチの噂が流れ始めた時はいつも半信半疑になる。交渉をしていても結局、正式決定に至らずに流れてしまう試合は星の数ほどあるし、そういうものだから。

八重樫はロマゴンの挑戦を受けるんじゃないか。そういう噂が流れ始めた時、不思議と「きっと決まるだろう」と思ってた。ロマゴンは自信満々で下の階級から上がって来るし、条件面でワガママを言う話も聞いた事がない。八重樫陣営さえやるという決断をすれば、きっとこの試合は決まると。

2014.4.6に3度目の防衛を勝利で飾った後の八重樫の勝利者インタビュー。「次はローマン・ゴンサレス戦、あるんでしょうか。一言お願いします」アナにそう振られた八重樫はこう答えてファンを興奮させた。

「こんな僕ですけど、やってもいいですか!」

その通り試合は決定となり開催。八重樫が持つWBC世界フライ級タイトルに、ゴンサレスが3階級制覇をかけて挑戦する大一番。

ボクシングファンなら現地に行かない理由がないスーパーマッチ。発売と同時にリングサイド席を申し込んだ。

聞き飽きた不利予想

戦前の予想は体感値7-3ぐらいでゴンサレス有利だったと思う。五十嵐俊幸から奪ったWBCフライ級王座を3度防衛中の八重樫。

2度目の防衛戦のエドガル・ソーサ戦ではそれまでの激闘王スタイルとは一味違ったスタイルで名のあるソーサを完封。持ち味のステップワークを止めず動き続けての完勝劇を披露した。このソーサ戦以降、ファンの予想には毎回ソーサ戦の話が出る。

見事に3階級を制覇して戦術の幅と安定感を増している八重樫でさえも、ゴンサレス相手だと予想は不利。怪物の戦績はプロ・アマ通じて126戦無敗。9度の防衛を誇った日本の天才・新井田豊を粉砕した後も、止まらない連打と強打を武器にあっさりと2階級を制覇。

八重樫に挑むまでにフライ級での試運転も数試合こなしており、階級アップの時に誰もが揶揄される「パワーが通じなくなるリスク」もこの時点では無縁に見えていた。どの専門誌も逃げずに挑戦を受けた八重樫の勇気を大絶賛しながらも、戦力分析による予想ではゴンサレス有利としていた。

27分間の激闘

2014年9月5日。

少し蒸し暑い金曜日だった。

代々木第二体育館はギッシリ満員。テレビ中継の解説を務める大和田常務の姿が見える。

ボクシングマニアの彼にとってもこの試合は待ち望んだカードに違いない。「もし八重樫君がこの試合を楽しめるなら・・何かが起こるかもしれません!」と興奮を抑えきれない様子でコメントをしている。きっとそうだし、全ファンが何かが起こる事を期待して集まっているはず。

異様な熱気に包まれる中、試合開始のゴング。

初回こそ静かな立ち上がりだったけど、2回から互いに左ボディーを打ち合う距離まで接近。ゴンサレスの左アッパーが空を切った時、その迫力に場内がどよめく。

3回、八重樫の動きが良い。先に動いて先に当てて、そして先に動く。ソーサ戦の動きでリズムに乗れてきた。

この回は明白に取れるかもしれない。これを続けられれば・・そう思った矢先。

ゴンサレスの振りが小さいコンパクトな左フックで八重樫ダウン。すぐにコーナーにサインを送る様子を見る限り冷静そう。再開後にゴンサレスが詰めに来たところを倍の手数で押し返し3回が終了。

4回から八重樫は足を止めて打ち合う場面を自分から作っていく。天井まで突き上げる様なゴンサレスの左アッパーが空を切る度に観客席がどよめく。このアッパーを被弾しない為のセンサーを常に働かせながら動く激闘王。おそらくこのアッパーは最後までまともには被弾していない。それでも右ストレート、左フックの被弾は回を追うごとに増えてきた。

5回、八重樫の左右のボディーがゴンサレスに突き刺さる。コンビネーションの中に組み込まれた左ボディーの的中率は高い。互いに特にフックを振り合うスリリングな打ち合い。

あきら!あきら!あきら!

東コールで5回終了のゴングが聞こえないぐらいヒートアップ。6回、7回はゴンサレスがプレスを強めてく来る中、八重樫が勇敢に応戦する展開。

有効打はゴンサレスで手数は八重樫。両者ともに疲労の色が見てとれる様になってきた。

8回からは足を止めて真っ向勝負。互いの体が密着した時、打たれる前に八重樫から先に小さなアッパーを突き上げた。既にポイントは劣勢である事がアナウンスされている。

12回まで戦う事は考えてなさそうな、決意に満ちた八重樫のラッシュを歓声の嵐が後押しする空間。見ているだけ汗が滴る程にアツい。この会場でボクシングを観るのはこの日で何度目だろうか。こんなに興奮の坩堝になった代々木は初めて。

そして運命の9回。激闘王はラウンド開始から決死のアタックを見せた。繰り出したコンビネーションの中から右ストレートが無敗の怪物を捉える。ここで怯む事なく打ち返してくるゴンサレスはやはり凄い。ガード越しの被弾でも八重樫がロープに追い込まれる。ガードを隙間を縫って右をねじ込んで来る。

これまでのラウンドで重ねられてきた有効打のダメージはやはり八重樫の体に蓄積されている。

効いてる。

危ない。

それでも八重樫東は左右のフックを叩きつけて反撃した。周りの観客の何人かは泣きながら激闘王の反撃を見つめている。

ゴンサレスの波状攻撃。
次の波がやってくる。

ロープに釘付けになりそうになりながらも、体を入れ替えて力を込めた右を振り下ろす八重樫。

反撃は当たってない。
けどその姿に、全観客が惚れていた。

ゴンサレスの強く的確なコンビネーションを5発続けて被弾した八重樫。ついに崩れ落ちた。

「もういい!もういいよ!」

歓声と悲鳴が入り混じる中、もういいと叫ぶ声がはっきり聞こえたのを覚えている。

僕もそう思った。もう十分じゃないか。十分どころか、それ以上のものを見せて貰えた。

レフェリーが試合を止めた瞬間。安堵の思いが半分、もう半分は何とも言語化が難しい感情の中、ゴンサレスの9回TKO勝ちで試合は終わった。

無敗王者の涙の理由

決着が着いた直後の両者の表情。

対照的だった。

まるで子供の様に号泣するゴンサレス。

レフェリーが試合を止めた瞬間から、セコンドに抱きかかえられてからもしばらく泣き続けている。

一方の八重樫の目には涙はなく、一瞬だけ白い歯をみせて笑った様にみえた。

ゴンサレスが勝って泣くのは初めてではない。新井田豊に勝利した後も彼は涙した。だけど表情がまったく違う。あの時は初めて世界王者になったという歓喜に満ちた"嬉し泣き"だった。

今日のこの号泣の理由は・・恐怖から解放された安堵感からの涙なんじゃないか?

アマチュア87戦プロ39戦のキャリアの中で、ここまで真っ向から打ち合いを挑んできた相手はいなかった。向き合って伝わる八重樫の「覚悟」を肌で感じながら戦う27分間は、きっとゴンサレスにとっても恐怖の時間だったんじゃないか。

こんな表情で泣く理由は他にあるだろうか。

美しいインタビュー

この試合は日本の世界戦では珍しく、試合後のリングで勝者・敗者の両方がインタビューに応えた。

2人とも飾りのない言葉で本心を喋ってくれた様に思う。目を腫らしながら答えた八重樫のコメント。

「打たれたら打ち返すという、基本的なところでしか勝負できなかった」

多くのファンは"それ"に心を打たれたはずだけど、本人はもっと違うボクシングで対抗したい思いがあった事が分かるコメント。3回のダウンを取られる直前までペースを握りかけたあの出入りのボクシング。本当はもっと長いラウンドあれを続けたうえで、そこから見せ場を作っていきたい・・想像だけどそういう思いがあったんじゃないだろうか。

ゴンサレスの言葉も忘れられない。

このコメントを通訳が訳した時、代々木はこの日一番の拍手と大歓声に包まれた。

「八重樫はこれまでで一番強い選手でした」

きっと本音でそう思ったに違いない。号泣の跡が残る赤い瞳が、それを物語っている。

「ロマゴンありがとう!」
「八重樫ありがとう!」

多くのファンはこの素晴らしいインタビューを目に熱いものを滲ませながら聞いていた。

残念ながらテレビ中継はディレイ放送で、他の試合の放送時間との兼ね合いでこのインタビューの大部分はカットされていたけど、現地に集まったファンにとっては試合の後にも更に贈り物を貰った気分になる素晴らしい感激タイム。

インタビューの最後の言葉はゴンサレスから。「八重樫選手と、八重樫選手の家族に神の祝福がありますように」

ここでゴンサレスの口から家族というキーワードが出てきた時に、もしや?と思う事があった。八重樫はこの試合にかかる生命保険の金額を倍にしてもらったエピソードを後日談で語っている。「無事にリングを降りられないかもしれない。万が一そうなったら家族をお願いします」そう言われた大橋会長は保険を倍にする事を承諾したという。

今振り返ると、ゴンサレスはその事実を誰かを通じて知っていたんだろうか。だからここで家族という言葉を発したのかもしれない。

知っていたからこそ、リング上で向き合って「この相手は死ぬ覚悟で打ち合いに来てる」と肌で感じた時、それはこれまで経験した事のない恐怖となり、あの号泣に繋がったのかもしれない。もちろんそうじゃないかもしれないし全てはただのボクヲタの想像だけど。確かな事は、この夜の2人の闘いに多くの人々が感動したという事。

試合から10日後に発売されたボクシングマガジンのタイトルも秀逸だった。

「偉大なる完敗」

なんて的確で素晴らしいタイトル。

結果だけ見れば2度のダウン且つポイント差も大きく開いていた完敗。完敗でありながら、何がどう偉大なのか?それこそがこの試合の最大の意義である事が伝わる見出しだと思う。

激闘王との会話録

代々木での激闘から5年後の2019年11月。僕はある方の計らいで、幸運にも八重樫さんとご一緒する事が出来た。この時の事はムザラネ戦の観戦記にも書いているけど、ここではロマゴン戦についてご本と話した思い出を共有したい。

「毎年、9月5日が来る度に思い出しますよ。ロマゴン戦!」そう言った時の八重樫さんの反応は・・

「えっ。ロマゴン戦って9月5日でしたっけ^^」

戦う選手からしたら、試合の日付よりも戦う事に必死なのでこのパターンはけっこう多い。全試合の日付を覚えている人もいれば、そうでない人もいて人それぞれ。僕はあの時のロマゴンの涙の理由についての想像を八重樫さんに伝えた。

「あんな号泣するロマゴンを初めて見ました。怖かったんだと思います。芯に貰えばヤバいと思いながら打ち合ってたんですよ。じゃないとあんな顔で泣きませんよ」

激闘王はそれを嬉しいと言ってくれた。「実際の理由は分からないけど、そう思って見ててくれていた事は嬉しいです」

あの試合を避けずに受けた理由も聞いてみた。ハイリスクなあの試合をなぜやったのか。ご本人の口から聞きたかった。

「先輩の内山高志さんは同じ階級のスター選手たちと試合したくても、あの階級だけに実現が難しい。けど僕はやれる状況にある。だったらやりたいし勝負師の大橋会長も背中を押してくれましたけど、一番は強い相手と戦いたいという自分の気持ち」

当時ほとんどの選手がロマゴンから逃げてた中、凄い決断と素晴らしい試合ぶり。レフェリーが試合を止めた瞬間ってどう思いましたか?

「まだ戦えるって思ってました。試合をひっくり返せたかどうかは別として、まだ動けるって」

これこそ八重樫東・・という感想。試合をひっくり返せたかどうかは別として、まだ動けるだなんてボクサーなら誰でも言える事じゃない。心底"チャレンジャー"なのだと思った。

ムザラネ戦は必ず勝って欲しいので応援します!勝った後のキャリアってどうしたいとか考えていますか?

「Sフライに上げて4階級制覇を狙いたいですね。僕って防衛は苦手じゃないですか(笑)チャレンジャーの立場が合ってるんですよ」そう言いながら、僕の空いたグラスにビールを注いでくれる激闘王。ボクシングファンとしてこの上なく美味いお酒だった。

ファンにとってのロマゴン戦

僕は毎日ツイッターで今日は〇〇の試合の日~として、その日付に行われた過去の試合をツイートしている。実はそれをやり始めたのは2019年9月5日から。

それまでも不定期で好きな試合の記念日にはツイートはしていたけど、毎日の発信は八重樫ロマゴン戦の記念日から始めている。その時のファンのリアクションを共有したい。

9月5日は何の日でしょうか?
八重樫ロマゴンの日です!

昨年の9月5日にそう呟いた途端、あの試合に心を奪われたファン達からの熱いリプライが次々に届いた。やはり皆忘れられないんだ。

入場からゾワゾワ鳥肌立って試合後はボロボロ泣いた。
今でも自分を奮い立たせたい時に録画を見ています。

りんたろう@さんより

「自分を奮い立たせたい時に録画を見る」というのは辰吉vsシリモンコン戦畑山vs坂本戦の話題の時によくファンから聞く事。やはりこの試合もそれらと肩を並べる名作である事を改めて実感する。

ボクシングであんなに心が震えた敗戦はなかった。。

よう@さんより

心が震えた敗戦。
応援している選手が敗れたのにファンの心を掴んで離さない試合。同じ様な思いを持つファンからのリプライが他にも沢山届いた。この試合から得た感動を今も大切にしている人達の思いを知って嬉しくなると共に、ボクシングファンである事が誇らしく思える瞬間でもある。

・・そして先日、2020年9月1日。
八重樫東の現役引退が本人の口から発表された。

SNS上では激闘王への感謝のコメントが湧きあがる中、現役時代に残してくれた闘いの中で思い出深い試合としてロマゴン戦に触れるファンはとても多い。そのツイートには共通点がある。

日本人が負けたけど何回も見たくなる試合で、見る度に泣ける唯一の試合・・確かにそのどちらか一方が当てはまる試合はあるけど、両方当てはまるのはこの試合だけだと思う。

応援してる選手が負けたのに、あんなに感動出来るって凄い。多くのファン達がそんな思いを発信している。

この試合についての感想をまとめると、応援してる選手が敗れた試合なのにとてつもなく感動して何度も見返したくなるし何度見ても泣きそうになる試合。だから忘れられないし、だから語り継ぎたいんだと。

更にその理由をもう一段、深いところまで掘り下げて考えたい。応援してた八重樫が敗けたこの試合の何がそこまで人々の心を惹きつけるのか。試合の映像を振り返りながら、引退会見での激闘王の言葉を聞いた時、自分なりの答えが見つかった。

生きるエネルギー

人生に困難や壁はつきもの。誰もがどこかで困難や壁に立ち向かわなければいけない。もちろん楽しい事も沢山あるし、小さな勝負事もあれば大きな勝負事もある。多くの人にとって勝ち続けるのは難しい事であり敗ける事は怖い。

怪物相手に勇敢に戦い、敗れた八重樫がその戦いぶりを”称賛されている事実”にとてつもない安堵を感じる自分がいる。もし誰もそう言わず全員が完敗だと吐き捨てていたら、僕はこの世界に絶望していたかもしれない。この敗戦が称賛される世界に自分は生きている。耳を塞ぎたくなる様な事件も起きるけど、この勇敢な敗戦がちゃんと称賛されるなら、この世界はまだまだ捨てたもんじゃない。

自分も八重樫と同じ時代に生まれ、同じ世界に生きている。あの試合の後、この世界なら幸せな人生を歩めるんじゃないかと思った。一般会社員の仕事でもそれなりの勝負時がある。負けたくない。もしずっと勝ち続ける以外に生きる方法が無いんだとしたら息が詰まりそう。でもここはそんな世界ではない。自分と向き合ったうえで胸を張れる敗戦なら、ちゃんと見てる人は称賛してくれる。負ける時があっても立ち上がればいい。それに気付かせてくれる試合。

だからこそ、訪れる困難から逃げずに立ち向う事は人生において大切な事だという事もこの試合から教えられた。

この試合に感動して、その思いを大切にしてる人達の心のインサイトにはきっと「生きるエネルギーをくれた八重樫への感謝」があるのだと思う。この試合に感動出来る人なら、きっと人生を豊かに生きていける。

「勝ったり負けたりの僕を応援してくれて・・」引退会見でそう言って涙を流す激闘王。勝ったり負けたりだから好きなのです。

勝ったり負けたりだから、勇敢な敗戦が光るのです。勝ったり負けたりだから、ファンは自分の人生に重ね合わせて応援出来るのです。

「ボクサー冥利に尽きる」という言葉がある。

ローマン・ゴンサレス戦は観る者の人生を豊かにする試合。そんな試合を残せた事はきっと激闘王にとってボクサー冥利に尽きるのではないかと思う。

八重樫東とローマン・ゴンサレス。
あの日あの場所で、熱い試合をありがとう。

ライバルの言葉

語り継がれるメモリアルファイトから5年後の2019年12月。八重樫とゴンサレスは横浜アリーナでの同じ興行に出場した。

ムザラネへの挑戦を控えた八重樫と、世界前哨戦を控えたゴンサレス。この再会の時の2人のやりとりがとても好きだ。

ゴンサレスが先に八重樫を見つけて声をかけたという。スペイン語で友人という意味の言葉。

「アミーゴ!」

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