皆様こんにちは。
拳人セカンドキャリア#7はこのお方。
元日本Sライト級王者で、現在はライザップ銀座店のパーソナルトレーナーとして活躍中の岩渕真也さんです!あの細川バレンタインさんや小原佳太さんとの激闘で後楽園ホールを沸かせた岩渕さんの現在に興味津々のボクシングファンは多いと思います。現在のお仕事について詳しくお聞きすべく、ライザップ銀座店にお伺いしての取材となりました。その一部始終をどうぞ。
- 現役を引退したボクサー達のセカンドキャリアを応援したい!
- ライザップのトレーナー職に興味があり、仕事内容を知りたい!
- 異業種への転職も多い時代。未経験業種へ転職しての成功例に興味アリ!
岩渕真也プロフィール
岩渕真也
生年月日:1985年7月16日
現役時の所属:草加有沢ジム
実績:元日本Sライト級王者
戦績:32戦26勝(22KO)6敗
現職:ライザップ銀座店のパーソナルトレーナー
埼玉県八潮市に誕生。
バスケ→陸上部で県大会2位。ボクシングが強い花咲徳栄高校に進学。
2004年2月 草加有沢ジムからプロデビュー。デビュー戦から2連敗し3戦目で初勝利。
2012年2月 和宇慶勇二の日本Sライト級王座に挑戦し、7回KOで王座奪取。
2016年2月 アル・リベラ戦での7回TKO負けを最後に現役を引退。
NSCA認定パーソナルトレーナーNSCA-CPTの資格を取得。
2016年からライザップ銀座店のパーソナルトレーナーとして勤務開始。
ボクシングとの出会い
では岩渕さんとボクシングの出会いからお聞かせください。
「中学時代からスポーツが好きで、バスケに熱中した後、陸上部では県大会2位でした。当時はK-1が流行っていたのでキックボクシングをやろうと思ったんですが近くにキックのジムが無くて、ボクシングにも興味があったのでボクシングで有名な花咲徳栄高校に入りました」
埼玉でボクシングが強いと言われて有名な高校ですね。所属ジムの候補はいくつか有ったと思うのですが、草加有沢ジムを選んだのはどの様な経緯からでしょうか。
「カズ有沢さんという凄いボクサーがいたからです。距離的にも草加有沢ジムは近い場所に有ったので、近くにこんな強い人が居たのか!と即決で決めました」
双子ボクサー有沢ツインズの兄、カズ有沢さん。現在は奥様と2人で谷塚で居酒屋《和み処Ari》を営まれており、とても寛げるお店です。
振り返る現役時代
約12年間で32戦26勝22KO6敗という立派な戦績を残されています。今振り返って一番嬉しかった事、しんどかった事をお聞きしたいです。
壮絶な覚悟で挑んだ日本タイトル戦
「一番嬉しかったのは日本チャンピオンになった時です。2012年2月に日本Sライト級王者の和宇慶勇二さんに挑戦して7回KO勝ちしたんですが、自分の勝ちが決まった瞬間の喜びは言葉に出来ないものがありました!当時やってたパティシエのアルバイトをやめてトレーニングに集中。過去一の練習を積んで自分を追い込んでのタイトル挑戦だったので、結果が出て心から嬉しかったです」
32戦の中のベストファイト
ご自身で選ぶベストファイトも和宇慶戦ですか?
「ベストファイトなら最強後楽園の決勝で麻生興一さんと対戦した試合です。練習中に思い描いていた通りのパンチを繰り出すことが出来て、強い麻生さんに1ラウンドでKO勝ちすることができました」
過酷なサンドバッグ打ち
「僕のメインのトレーナーはカズ有沢さんだったのですが、渡辺剛トレーナーにも指導を受けていました。具志堅用高さんのメイントレーナーだった凄い方なんです。デビューから2連敗して、必死の思いで初勝利した頃の僕に目をかけてくれて」
渡辺剛さんは有名なトレーナーですね。どんな指導だったのか興味深いです。
「サンドバッグ打ちを6ラウンドやるんですが、ずっと隣で見てくれるんです。全練習メニューの中で一番しんどかったですね(笑)インターバル中に脈を計られて、200を超えてないと追い込みが足りないと言われました。あの練習を乗り越えてから試合でのスタミナもアップした実感があります」
ライザップへの入社経緯
2016年の2月のリベラ戦をラストファイトに現役を引退されてから、現職に就かれるまでの経緯についてお聞かせください。
「パーソナルトレーナーをキャリアの軸にしていく考えがあったので、専門学校に通ってNSCA認定パーソナルトレーナーNSCA-CPTの資格を取得しました。たまたまその専門学校にライザップ恵比寿店のトレーナーの方が居て知り合ったんです」
そこで岩渕さんとライザップの接点が出来たわけですね。
「その方からライザップトレーナーの仕事内容、やりがいを聞いているうちに興味が沸いて来たんです。ボクサー時代から栄養学を自分で学んでいたので栄養の知識と減量の経験を活かせそうだと考えて入社しました。引退した年と同じ年。2016年の入社です」
輝かしい実績を持つ岩渕さんだからすんなり入社が決まりましたが、ライザップトレーナーは誰でも就ける職業ではありません。ライザップ公式HPには採用率3.2%の狭き門と表記されています。
ライザップトレーナーの仕事内容
ライザップはカウンセラーとパーソナルトレーナーで役割が分かれており、岩渕さんはパーソナルトレーナーです。仕事内容についてお聞きしました。
「最短2ヶ月間のプログラムを通して、完全マンツーマンでトレーニング指導を担当するのがライザップのパーソナルトレーナーです。目標に合わせたオリジナルのプログラム作成、トレーニングサポート、食事アドバイス、目標達成に向けた進捗の確認や、状況に合わせたプログラム内容の見直しなどトータルフォローでお客様の目標達成の為に向き合い寄り添います」
- 運動トレーニング
-
「週2回・1回50分のお客様一人一人に合わせた最適な負荷で、無理なく効率的な運動を実施。初心者の方でも誰でもできる運動からスタートします。自体重・ダンベル・バーベルなどを使用した筋力トレーニングをメインで実施する事で身体に起きるホルモン反応が効率的に体脂肪を落とすきっかけになり、持続的な結果に繋げていきます」
- 食事トレーニング
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「正しい知識を習得しながら1日3食しっかり食べて健康的に痩せられる専門的な栄養アドバイス。低糖質・中糖質・バランス食などお客様に合わせた食事法を指導。専用アプリを通じて毎日の食事へのアドバイスを行います」
お客様が進む3つのSTEP
効率よく脂肪を燃やす体を作ります。【食事目標】ボリュームはしっかりとりつつ低糖質を実践。【運動目標】フォーム習得とウエイトに慣れる。回数は多く負担は低く、持久的なトレーニングが中心です。
筋肉量にフォーカスし、基礎代謝向上を目指します。【食事目標】タイミングを考えて糖質を食事に加える。【運動目標】回数は中程度、負担は中~高強度で筋肉をしっかり付けます。
リバウンドしない体を作ります。【食事目標】1日にとる糖質量をコントロール。【運動目標】習慣として継続します。
ライザップトレーナーの魅力と大変さ
ライザップでのパーソナルトレーナーの魅力と大変な部分についてお聞かせください。
・お客様の目標達成が嬉しい
・自分のダイエットとは違う
・感覚の言語化は日々鍛錬
お客様の目標達成が嬉しい
「お客様それぞれが《こうなりたい》という思いを胸に入会されます。いつまでに体重何キロという数値化した明確なゴールに向かって並走し、自分の経験から伝えられる全てをお伝えし、一緒にゴールテープを切れた時の喜びはとても大きいですね」
お客様のニーズはダイエットがほとんどでしょうか?
「ダイエットがメインですね。それ以外のニーズのお客様もいらっしゃいますが、健康的に食事を続けながらより自分をシェイプアップさせたい!という方からのご相談が多いです」
自分のダイエットとは違う難しさ
「トレーニング・食事も全て予定通りに進めていただいてるのにお客様の体重が落ちない時もあります。その原因は体質や環境などお客様によって異なるのですが、自分のダイエットより原因追及が難しいです」
ボクサー時代32試合分の減量経験があっても、自分以外の方々の減量となると過去の経験則だけでは測れない事も出て来そうですね。
「はい。そうなった時は自分の経験則から推測をお伝えしつつ、お客様とじっくり会話を重ねて追及していきます。試行錯誤を重ねて結果が出て来た時はお客様に喜んでいただけるだけでなく、パーソナルトレーナーとしての自己成長も感じられて二重の喜びになるんです」
感覚の言語化は日々鍛錬
「体重の増減をコントロールするボクサーという職業を10年以上やっていたので、お客様の課題やお客様の状態を《感覚的に掴む》事に関しては長けていると思うのですが、それをしっかり伝わる言葉に言語化するのはまた別の能力というか…簡単ではないですね」
ボクシングのトレーナーの方からも、ボクシングの技術的な能力と、それを相手に分かる様に伝える言語化能力は全く別の能力だというお話をよく聞きます。
「そうなんですよね。入社以降これまでキャリアを重ねて来た中で、以前より伝える力も付いて来てる実感はあります。これも地道にコツコツと日々磨いていくものだと捉えてます」
岩渕流のトレーナーマインド
お客様とのコミュニケーションで心がけている事や、忘れられないお客様のお話などお聞きしたいです。
・何よりも会話を大切に
・経験を元に寄り添う
・感謝の気持ちを忘れない
何よりも会話を大切に
「ありがたい事に多くのお客様を担当させていただいてますので、お客様とのセッション中に印象に残った会話を忘れない様に必ず社用iPadに記録してます。次回セッションでの会話の元になり円滑にセッションを進行出来るからです。オンライン対話かオフライン対話かはお客様によるのですが、目標達成のために一番大切なコミュニケーションは会話です」
経験を元に寄り添う
「せっかく痩せたのにリバウンドしてしまいそう…と不安でご相談いただく事があるのですが、その気持ちは凄くよく分かるんです^^よく分かるので、自分の経験を元に共感しながらお客様に寄り添うスタンスを心掛けてますね。頑張り過ぎたらダメなので適度に抜くということをお伝えしたり、それによりどのような心理的・肉体的効果があるかを合わせて説明したり」
感謝の気持ちを忘れない
「これまで8年やってきた中で、あるお客様からの忘れられない言葉があります。《私だって変われたんだから、岩渕さんがトレーナーなら皆変われるよ。 変われなかったらその人の責任》なかなか思うように結果が出ない時期もあったのですが、二人三脚で走り抜き最終的にはとても満足していただけました。僕は自分が担当したお客様が変われなかったらその方の責任だなんて思いません。でもあの時の言葉はとても嬉しくて…お客様のトレーニング結果が思うように出てこない時に、自分を自信付けてくれる言葉なんです!」
ボクサー経験が活きていること
今のお仕事でボクサー経験が活きてるなって思うのはどんなことでしょうか。
・ダイエット中の心境がよく分かる
・ストイックに自分と向き合える
・アスリートの方とのセッションも楽しめる
ダイエット中の心境がよく分かる
「ボクシングの減量とライザップの減量は違いますが、ダイエット中のお客様の心境は想像できます。急な短期集中型で減量しようとした場合、無理なペースでやるとどうなるかが分かってるので、しっかりと説明を添えてブレーキをかける事もありますね」
ストイックに自分と向き合える
「ボクシングは自分との戦いが多く、相手に挑む前に自分と向き合って《自分に勝つ》事が必要なスポーツでした。パーソナルトレーナーの仕事はお客様と向き合う事から始まりますが、過去の経験則が通用しない場面や、自己鍛錬が求められる場面ではボクサー時代と同じ様に自分と向き合います。ストイックに自分と向き合ってきた経験は今も活きてます」
アスリートのお客様とのセッションも楽しめる
「中には僕より下半身が強いアスリートチックなお客様もいらっしゃいます。目的はダイエットではなく追い込むのが楽しい!というマインドでセッションを希望されるのでより本格的なトレーニングをやるのですが、自分もアスリートだったので楽しいんですよね^^」
岩渕さんへのコンタクト
元ボクシング王者の岩渕さんがここにいる事を知って、岩渕さんを指名されるお客様はいらっしゃるとの事。ゲストの特別な日にサプライズでミット打ちなどを行う事もあるらしいです。
岩渕さんにコンタクトを取りたい!そう思ったそこのあなた。Instagramからの連絡はOKだそうなので岩渕さんのInstagramアカウントを置いておきますね。
カウンセリングを申し込んで相談してみたい方はこちらからどうぞ。カウンセリングの際に「銀座店の岩渕さんを指名したい」と希望をお伝えいただく事は可能ですが、稼働状況は日々異なります。カウンセラーに相談してみてください!
取材を終えて
岩渕真也さんは"ブレない誠実な努力家トレーナー"です。この日の取材で特に印象に残ったのが「体重の増減をコントロールするボクサーという職業を10年以上やっていたので、お客様の課題やお客様の状態を《感覚的に掴む》事に関しては長けてますが、それを伝わる言葉に言語化するのはまた別の能力というか…簡単ではないです」という言葉です。
きっと簡単ではない。難しい事なのだろうと思うのですが《それは別の能力だから》と放置するのではなく、セッション中に印象に残ったお客様との会話を記録して次回のセッションでの会話の質を上げようと努力を重ねる中で、その《伝える力》も着実に兼ね添えていってるのだろうなと感じます。そんな岩渕さんだからこそ入社してから8年間、多くのお客様からの信頼を得て今もパーソナルトレーナーとして活躍し続けているのだと思います。
日本Sライト級チャンピオンという輝かしい栄光。その経験を活かした誠実なトレーナーマインドはきっとこれからも沢山のお客様を笑顔にするに違いありません。セカンドキャリアに選んだライザップ銀座店でのパーソナルトレーナー。大正解ですね!
この職業に興味が沸いた方、岩渕さんの様に自分の経験を活かしたトレーナー業に関心がある方、ボクシングジムのトレーナーだけでなくライザップのパーソナルトレーナーも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。いや~今回も取材が楽しくて仕方ありませんでした。岩渕さんありがとうございました!
以上、拳人のセカンドキャリア#7「ライザップトレーナー岩渕真也」編でした。
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